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青森県のトンボ2026年夏

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今年こそマダラヤンマの未熟期間の生態を観察すべく、例年より少し早めの7月下旬に青森へ。天気予報を見ていると曇りがちで気温がやや低そうな印象でしたが到着してみるとかなり湿度があり気温的にもトンボが飛びそうな感じです。時間的にも夕方の活動には間に合いそうなので急遽支度をして出撃です。

車を走らせて水田地帯に入る手前からアキアカネが上空を飛び良い雰囲気です。農道を進むとアキアカネの未熟個体が移動をしており数十万匹はいたでしょう。

まずは昨年飛来種を採集した溜池を覗きます。雑種や飛来種を期待しましたが見つからず、オオヤマトンボが多数見られました。付近の樹林に囲まれた空き地では近年本県で記録の増えているヤブヤンマの♀を採集。しばらく水田の周りを流していると18時過ぎに翅が褐色のエゾトンボ老熟♀のようなトンボを発見。山方面へ徐々に移動しているような緩やかな飛び方なので車で先回りしてネットをかまえます。ちょうど6m前後の高さで採集できました。飛び方はフワフワ円を描くように飛んでおり未熟のようでしたので採集するまで疑問でしたがネットを覗くと何と待望のマダラヤンマ未熟♀でした。

マダラヤンマ♀未熟

 

ルリボシヤンマ♂未熟

 

祝福のダブルレインボー

 

いつもマダラヤンマの縄張り飛翔や産卵を見ている場所からは10kmほど離れています。20年以上前には更に遠い低山地でも本種を採集していますので、海外の近縁種の集団移動とまではいかないにしても、やはり移動しながら摂食して移動しながら産卵場所に戻るのだろうと考えられます。

♀を採集した日は他の個体は見られなかったので早朝と夕方に何度か通ってみると8月5日の早朝4時45分頃、水田の農道上空を素早く摂食飛翔する本種を2頭発見。ネットをかまえると10mくらいの高さに移動しましたが降りてくるのを待つと♂が1頭採集できました。夜間の低温明けだからか腹部背面の水色斑が暗い色調になっていました。この時の気象条件はやはり湿度が高くムシムシしており霧雨がちらつくくらいでアキアカネも活発でした。

マダラヤンマ♂未熟

飛んでいたもう1頭は♀でしたが採集はできませんでした。しかし複数頭確認できたので先日の♀個体も偶然ではなく移動中の個体だったのだと思われます。とりあえず首尾よく今回の目標は達成できましたので来年は本種の未熟個体が多数集まるような場所がないか探してみたいと思います。

 

オオヤマトンボ♀老熟

マダラヤンマ以外のトンボではオオヤマトンボ産卵が過去最高に観察できました。オオヤマトンボは都会でもよく見られるトンボですが産卵は中々見られません。青森の飛来種ポイントでは日中からよく産卵に入り、♂のパトロールが少なくなる日没後には多数の♀が同時に産卵に入ってきて夕方だけで20頭以上は確認できたと思います。♂が多い時間帯には♀は高速で逃げるように岸辺と沖を往復しながら産卵していましたが、♂の数が減って来ると岸辺に沿って10mくらいの範囲をゆっくり往復して産卵していました。また向かい風の場合はホバリングしながら産卵する個体も観察できました。

 

マイコアカネ♀成熟(♂型♀)

本県日本海側の湖沼ではマイコアカネが未熟から成熟まで各ステージ観察できました。過去にリスアカネの♂型♀は多数観察していましたが、今回はマイコアカネに焦点を当てるとやはり♂型♀が見つかりました。県央の産地ではほとんど見たことがなかったのですが、ここでは高確率で見つかりました。

 

キバネモリトンボ♀未熟

太平洋側ではオオキトンボの未熟個体を探してみましたが見つからず、マダラヤンマの未熟個体も飛びませんでしたが、本州ではこの近辺のみに分布するキバネモリトンボが確認できました。

 

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2026年春のトンボ状況その2

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季節の進行はやや早めではありそうですが、4月に入ってから雨で寒い日も多く、やっと晴れたと思ったら異常に風が強かったりであまり成果はありません。

ウスバキトンボ♂成熟

 

アジアイトトンボ♂成熟

 

コサナエ♂成熟

 

4月16日は埼玉県北部でアジアイトトンボ3頭確認で成熟個体もいました。24日は埼玉県北部の別地点でアジアイトトンボ1♂、コサナエ3♂、シオヤトンボ数頭、シオカラトンボ数頭、初飛行中の中型のトンボを遠目に1頭確認したのみ。28日は埼玉県南部でウスバキトンボ数頭、シオヤトンボ数頭、ギンヤンマ1♂を確認。ウスバキトンボはこの時期にしては多いような気がします。

5月2日は近年黄昏飛翔をよく観察している場所へオオヤマトンボの状況を見に行きましたが例によって強風が吹き荒れ大型のトンボは見られず、クロイトトンボ数頭とウスバキトンボが2頭飛んでいるだけで特に成果はなく帰路につくと途中の住宅街の路上にサラサヤンマ未熟♀のロードキル個体を発見。すぐさま拾い上げ確認すると腹部の黄斑は消えかかっていますが、まだアリもたかっておらず関節も柔らかい状態なので恐らく朝までは生きていたと思われます。黄昏ポイント付近で摂食していた個体が強風で飛ばされて車と接触したようです。湿度は低めですが気温がかなり高かったので腹部の腐敗は早かったようで残念ですが何とか標本にしてみようということで持ち帰ることにしました。

サラサヤンマ♀未熟

 

車で数分も走れば東京都23区に行けるような都会ですのでなかなか良い拾い物だと思います。

また、黄昏ポイント付近でこの辺には現在居ないはずのトンボを見かけたので調査を継続したいと思います。

 

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2026年春のトンボ状況

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今季初のトンボ探索は個人的に未観察であったサナエトンボ2種を求めて東海地方へ。

過去の初見記録と昨今の季節進行の速さを考えて4月第2週に出かけました。

今回は新規開拓ではないので両種とも分布している地域です。あまり人目に付かなさそうな溜池に当たりをつけました。ピンポイントで確実に生息しているかは分かりませんがサナエトンボ科なので多分すぐに見つかるでしょう。

遠征ではありますが今回はあまり動き回る予定はないので電車と徒歩です。昼前に最寄り駅を降りると長閑な田園風景が広がっています。天気は良さそうです。関東地方よりは少し暖かく感じます。

しばらく歩くと畑の上空をヤンマが飛んでいるのを発見しました。クロスジギンヤンマ♀の未熟のようですが柵に囲まれた場所のため採集はできませんでした。少し進むと今度は竹藪横の空き地でウスバキトンボが飛んでいます。4月11日なので採集しておこうと思いましたが筆者の身体が鈍っており空振りしました。

また少し進むと畑の奥の小規模な溜池です。タベサナエやオグマサナエが居るかと思いましたがシオヤトンボしか居ません。溜池から延びる水路にはアサヒナカワトンボ♂のテネラル個体が1頭。

アサヒナカワトンボ♂テネラル

 

トンボの気配が少ないのでまた少し歩いてメインポイントと踏んでいた場所へ。

1つ目の溜池の土手を歩くとサナエトンボ科の未熟個体が飛び出したので採集するとオグマサナエの♀でした。第一目標達成です。次の溜池の土手を歩くと今度はタベサナエ♀を採集できました。

オグマサナエ♀未熟

 

タベサナエ♀成熟

 

↑タベサナエの動画(筆者撮影)

 

付近の溜池や水路沿いを見ていくとタベサナエが圧倒的に多いです。樹上と空き地の下草を行き来して摂食活動を行っています。時期的に未熟か半熟個体がほとんどだと思っていましたが成熟したての個体もいました。しかし水辺で縄張りする個体はまだ見られず、空き地でパトロール兼摂食をしている段階でした。

一通り観察して進展がなさそうなのでこの日は15時くらいで打ち切りました。

この日見られたトンボはクロスジギンヤンマ1、ウスバキトンボ1、シオヤトンボ数頭、シオカラトンボ1、アサヒナカワトンボ1、タベサナエ多数、オグマサナエ1。

 

オグマサナエ♂半成熟

 

タベサナエ♂成熟

 

付近の宿に1泊して翌日。気温が上がり始める10時頃に前日のポイントに到着。池ではホソミオツネントンボが活動中。相変わらずタベサナエばかりですが正午になり最後に採集した個体が都合よくオグマサナエ♂で今回の目標を達成したので帰路につきました。

この日見られたトンボはタベサナエ多数、オグマサナエ1、シオヤトンボ数頭、ホソミオツネントンボ3

 

観察期間:4月11日、12日

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青森県産マイコアカネ雌の個体変異一覧を作成しました。

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青森県産マイコアカネ♀の個体変異一覧を作成しましたのでご活用ください。

 

 

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アカネ属 トンボ科 ヤンマ科 東北地方 飛来種

青森県で記録した飛来種2025

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今年は大陸からのみならず、東北地方ではあまり記録されない南方からの飛来種も確認できました。

オオギンヤンマ♂成熟 青森県 2025年10月

夏にハネビロトンボを記録(東北地方に珍しいトンボ飛来 – お気軽Webトンボ図鑑)した県央の場所ではオオギンヤンマを採集。採集個体以外にも摂食飛翔する1頭を目撃。県内では過去に3例の記録があるに過ぎません。今年は4月の西表島でも多数の本種を確認していたので広範囲に飛来する予感がしていましたが当たりました。

 

オナガアカネ♂成熟 青森県 2025年10月

 

オナガアカネ♀成熟 青森県 2025年10月

オナガアカネは近年毎年のように確認されており、県央の内陸部でも複数を記録。

 

マンシュウアカネ♂老熟 青森県 2025年10月

青森県では2000年台初頭に複数記録がありますが、2005年を最後に確認されておらず、今回は20年ぶりの記録と思われます。本種は他の飛来アカネに比べて圧倒的に記録が少なく、強い風が吹かないと飛来してこないようで、過去の天気と本種の記録を照らし合わせると、日本で最大風速5m以上または最大瞬間風速10m以上の北方面の風を観測した日及びその翌日に記録が多いようです。

 

大陸からトンボが飛来してくるプロセスの考察

大陸から青森県西海岸までの距離は最短ルートで約500km。 トンボは時速約70kmから100kmで飛ぶことができると言われています。これは個人的な予測に過ぎませんが、例えば、ロシア沿海地方を日の出時刻の7時半に飛び立ち、11時半に青森県西海岸に到着すると仮定。北方面からの強風に乗り飛行速度も増し、時速約120kmで約4時間飛び続けると仮定すると当日の朝ロシアを飛び立った個体がその日の正午前後に日本で採集されることは理論上成り立ちます。日本で夕方近くになって突如現れる個体は大陸を出発する時刻が遅かった個体だと思われます。
途中で海に落ちる個体も居ると考えると、大陸からより距離の近い北海道では確認される個体数も必然的に多くなります。
ちなみに北方系の飛来種は夜は寒さで飛べないと思われます。(南方系飛来種は夜間も飛んで移動することがあるらしい)

 

観察日程:2025年10月

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