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オナガアカネ♂成熟(何らかのダメージにより赤みが弱い個体)2023年10月31日採集
オナガアカネは日本海から離れた内陸側で採集できた。
マダラヤンマ♂ 老熟 2023年10月23日採集
オオキトンボ老熟 2023年10月24日採集
来週末から雪マークが並ぶのでそれまでに終見記録が更新できそうなものはしたいところです。
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オナガアカネ
タイリクアキアカネ
オナガアカネを含む赤トンボが雨宿りをしていた草叢
秋になると国外から海を渡って飛んでくる飛来種が見つかります。今年もそんな飛来種であるオナガアカネやタイリクアキアカネを観察できました。
日本海側における大陸方面からの飛来種の行動パターンをまとめてみます。
朝に大陸を出発したトンボが午後に日本に到着し始めるのか、海岸そばの防風林裏にある水田などに次から次へと入ってくるのを観察。♂はそのまま水田の部分的な水たまりなどで縄張りを形成、♀は付近の林縁や高く突き出た木の枝などに止まって摂食休憩。夕方は雌雄が陽当たりの良い林縁や付近の空き地で多くの他のアカネ類に混じって摂食する。前日の遅い時間に日本へ到着したと思われる個体が午前中に見つかるが、晴れていれば正午くらいには風に乗って内陸へと旅立って行くものと考えられる。また、朝から雨が降り気温が低い場合は、林縁にある背丈の低い雑草の群落の中などに静止して、陽が差すとすぐに飛び立つ。この時、オナガアカネなどの飛来種は耐寒性があるためか他のアカネ類よりも動き出すのが早い。
1日で複数の場所を探索することもあるので、時間帯などが合わないこともありますが行動パターンは概ね把握できます。その上で大陸からの飛来種が観察しやすい場所の条件をまとめると、、
1️⃣海岸から1キロ程度までの間
2️⃣防風林がある
3️⃣水田があり、ところどころに水が溜まっている
4️⃣近くに溜池がある
5️⃣陽当たりの良い林縁がある
6️⃣背丈の低い草地がある
といった感じでしょうか。在来種にも言えることではありますが、その日の風向きや気温で集まる場所は変わってくるので上記を満たさなくても見つかることもあるでしょう。
オナガアカネは在来種の赤トンボに混ざって高い枝先などに止まっていても、雌雄ともに独特のシルエットであることから見分けることもできます。
また、どこにでもいる種類なので気づかれないことが多いですが、アジアイトトンボやギンヤンマも飛来個体と思われるものが複数観察できました。飛来種の多くは海を渡って来るため、翅が潮風に揉まれて傷むのか、白っぽくなり独特の細かいシワが現れることが多いです。
記録
10月14日 2ヶ所
オナガアカネ24♂6♀
10月16日 2ヶ所
オナガアカネ12♂8♀
タイリクアキアカネ1♂
10月17日 1ヶ所
オナガアカネ19♂4♀
タイリクアキアカネ1♂
10月18日 1ヶ所
オナガアカネ4♂3♀
10月23日 1ヶ所
オナガアカネ10♂
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今年は暑い日が続きマダラヤンマの産卵や平地のオオルリボシの産卵活動はイマイチ。その代わりに夏のトンボがまだ頑張っており、ハネビロエゾトンボ、チョウトンボ、オオシオカラトンボ、ハラビロトンボなど県内の終見記録(9月24日)に並びました。
県内のリスアカネは北海道の個体の様に翅端斑が薄い個体が散見されます。また、以前紹介した♂型♀は別の地点でも結構な割合で確認できたので県内では割と普通なのかもしれません。
マイコアカネは県中央部でも♀の翅斑変異が結構豊富。
ノシメトンボ♂とミヤマアカネ♀の異種間連結を確認。他にはマユタテ♂とマイコ♀の組み合わせも確認できたので種間雑種を探さなくてはなりません。
以下、マダラヤンマとリスアカネの動画(筆者撮影)です↓
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ほとんどの図鑑類ではリスアカネの赤化型の♀(♂型♀)は“ごく稀に見られる”という記述ですが、一部ではそこに生息する本種の半数近くの♀個体が赤化型の地域があります。特に孤立したような場所でもなく、ごく普通の生息地と変わらない環境です。今年の6月~8月に4回ほど同地を訪れましたが、未熟個体を含め数十頭の赤化型(♂型♀)を確認しています。
通常♀の場合は腹部の黒条が腹節の端から端まで明瞭に現れますが、赤化型(♂型♀)の場合は黒条が消失または消失傾向になるので、ほとんどの場合未熟個体でも判別が可能です。
近隣地域での赤化型♀の出現率や生息域の調査も行う必要がありそうです。
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