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ミナミヤンマ Chlorogomphus brunneus costalis Asahina, 1949
体長:71㎜~87㎜内外
成虫出現時期:4月中旬~9月下旬
分布:四国、九州、薩南諸島
生息環境:河川中流域から源流域、流れ付近の路上、空き地、海岸線から水田地帯、尾根付近まで広い範囲で見られる
備考:(分類)沖縄本島に生息するカラスヤンマの亜種に相当する。
(形態)ミナミヤンマ♀の翅模様は生息する地域毎に異なり、無斑のものから翅の前縁を縁取る様な黒褐色斑が出るものも存在する。
奄美大島では翅の前縁に黒褐色のラインが入り、特に前翅は後縁に向かって褐色斑が薄く広がる傾向にある。徳之島では前縁のラインに加えて翅の先端にも斑紋が現れ、イリオモテミナミヤンマ♀に似る。また、徳之島産の♂個体は翅端斑が濃い傾向にある。
四国では無斑のものから奄美大島の個体に似るタイプも得られ、オキナワミナミヤンマ♀の様に結節付近に斑紋が出るタイプもいる。宮崎県や鹿児島県(薩摩半島)では結節付近を中心に先端にかけての翅前縁に薄く黒褐色のラインが発現する個体や基部から結節まで繋がる個体もいる。鹿児島県(大隅半島)から大隅諸島にかけては奄美大島の個体に似るタイプが得られる。
四国・九州の個体は大型のものが多いが離島の個体はやや小型化する傾向にある。島しょ部では生息範囲が限られるので餌を確保するため小型化して個体数を維持するよう進化したのか、または大型個体の産地では冬季に降雪があることが関係している可能性もある。
(生態)奄美大島の細流では午前中から18時半くらいまでパトロール飛翔や産卵が行われていた。産卵を終えた♀はやや開けた林道に出てきて摂食したのち日陰の木の枝に静止して休憩する。♂はそのような♀を探して林道をパトロール飛翔している個体もいる。早朝は開けた河川上空で未熟個体や産卵後の個体が摂食飛翔するのを観察できる。夕方も林道や尾根付近で未熟・成熟ともに飛ぶが、日没が近づくと低い位置を一直線に素早く飛翔する成熟♀を観察できる。
徳之島では河川上空や尾根付近の林道で多数の個体が摂食飛翔するのを観察している。雨ベースの日でも少しの止み間に摂食を行っていた。
奄美大島では8月下旬でも複数が飛んでおり、2022年は9月7日に林道上を低く飛ぶ1♀を目撃している。
奄美大島・徳之島ともに島内の広い範囲に分布してる。
♂成熟(腹部黄斑発達型) 鹿児島県(奄美大島) 2020年7月
♂成熟(腹部黄斑発達型) 鹿児島県(奄美大島・北東部) 2024年7月
♂成熟 鹿児島県(奄美大島) 2020年8月28日
♀成熟 鹿児島県(奄美大島・北東部)2024年7月
♀成熟 鹿児島県(奄美大島)2024年7月
♀成熟 鹿児島県(奄美大島) 2020年7月
♀成熟 鹿児島県(奄美大島) 2020年7月
♀成熟 鹿児島県(奄美大島) 2020年7月
♀成熟 鹿児島県(奄美大島) 2020年7月
♀未熟(翅斑発達型)鹿児島県(奄美大島・北東部)2024年7月
♂成熟 鹿児島県(奄美大島)2024年7月
♂成熟(腹部黄斑発達型)鹿児島県(奄美大島)2024年7月
♀成熟 鹿児島県(奄美大島)2024年7月
♂成熟 鹿児島県(徳之島) 2023年6月
♂成熟 鹿児島県(徳之島) 2023年6月
♀成熟 鹿児島県(徳之島) 2023年6月
♀成熟 鹿児島県(徳之島) 2023年6月
♀未熟 鹿児島県(徳之島) 2023年6月
♀未熟(翅斑発達型) 鹿児島県(徳之島) 2023年6月
♀成熟(翅斑発達型) 鹿児島県(徳之島) 2023年6月
♂成熟 鹿児島県(徳之島) 2023年6月
♀成熟 鹿児島県(徳之島) 2023年6月
♀成熟(腹部黄色斑発達型) 鹿児島県(徳之島) 2023年6月
♀未熟(翅斑発達型) 鹿児島県(徳之島) 2023年6月
♂成熟 鹿児島県(薩摩半島) 2025年6月
♂未熟 鹿児島県(薩摩半島) 2025年6月
♂未熟(黒化型) 鹿児島県(薩摩半島) 2025年6月
♀未熟(淡条型) 鹿児島県(薩摩半島) 2025年6月
♀未熟(やや濃条型)鹿児島県(薩摩半島) 2025年6月
♀未熟(やや濃条型)鹿児島県(薩摩半島) 2025年6月
♀未熟(濃条型)鹿児島県(薩摩半島) 2025年6月
♀未熟(淡条・黒化・小型) 鹿児島県(薩摩半島) 2025年6月
♀未熟(濃色翅端斑型) 鹿児島県(薩摩半島)2025年6月
♀未熟(淡色翅端斑型) 鹿児島県(薩摩半島)2025年6月
♂♀未熟摂食飛翔 鹿児島県 2025年6月
ミナミヤンマの動画(筆者撮影)↓